- 黄色材
4分子を重合させたエポキシ樹脂を利用したプリント配線板の材料の体系の一つ。
◆もっとくわしく◆ 白材に対して黄色材と呼ばれることが多い。特に決まった定義はないが、エポキシ樹脂を重合させるときに4分子で重合させる(テトラファンクション)ものを黄色材と言う。黄色材で会っても白材であっても様々な特性の基材があるものの、一般的には白材よりも黄色材の方が固い傾向がある。黄色材は海外での製造でよく使われる傾向があり、価格も白材に比較して安い場合が多いが価格帯は大きく変わらない。後の実装工程を考えると白材よりも固い黄色材の方が比較的作業はしやすい。弊社では白材・黄色材双方の対応が可能です。
英語表記 :Yellow material
- 幾何公差
物の形状や位置・姿勢などを決める公差
◆もっとくわしく◆ まんまるさを指定する「真円度」、平面さを指定する「平面度」やある面に対して平行さを指す「平行度」等があり、外形図などで一定の精度が必要とされる場合に用いられる。
英語表記 :Geometric tolerance
- 機構部品
プリント基板に実装される部品の分類の一つで、素子ベースの単部品に対して使われる事が多い。
英語表記 :Mechanism element
- 疑似断線
パターンが切れかかっている不良のこと。
◆もっとくわしく◆ 電気チェッカーの信号は通してしまうが、大きな電流を流した際に切れてしまうものもある。AOIやAVIで検知可能。
- 基準穴
穴あけ装置にプリント基板を設置する前に最初にあける穴のこと。
◆もっとくわしく◆ 通常エントリーボードとバックアップボートど呼ばれる2つの板で挟んでから穴をあける。また部品実装を行う場合に基板を装置に固定するために設けた穴も基準穴と呼ぶ事がある。
英語表記 :Location hole
- 寄生インダクタンス
特に高周波回路で問題となる回路図にはないインダクタ成分の事。
◆もっとくわしく◆ 高周波領域になると、まっすぐな配線ですらインダクタとして作用することがあり、回路特性に影響を与えることがあるため、特性インピーダンスの整合が必要となる。
- 寄生キャパシタンス
特に高周波回路で問題となる回路図にはないコンデンサ成分の事。
◆もっとくわしく◆ 高周波領域になると、配線と配線の間や、その他の相にあるパターンとの間がコンデンサのように作用することがあり、回路特性に影響を与えることがあるため、特性インピーダンスの整合が必要となる。
- 基板
集積回路等を作り上げるために、回路素子の組み込み、プリント配線等をした板のこと。
英語表記 :Printed circuit board
- 基盤
基盤とは、基板の誤記。
◆もっとくわしく◆ プリント基板をプリント基盤と書いてしまうのは業界あるある。ちなみにプリント配線板もプリント配線盤ではない。
英語表記 :Base
- 基本格子
アートワーク設計の際、基板の原点位置から仮想格子を表示させて部品配置や配線を行うが、部品配置や配線の基準となる格子のこと。
◆もっとくわしく◆ ミリ設計では1.0mm、インチ設計では2.54mmが基本格子で使用される。
英語表記 :Basic grid
- 逆ネット(逆ネットリスト)
アートワーク設計CADで配線された配線情報を抽出したアスキーファイルの事。
◆もっとくわしく◆ 設計データに読み込んでいる元ネットデータとのネット差分の為に作成される。ネット名称は出力される際に新たに付加される為、元ネットのネット名とは異なる。
- 逆ランド
クリアランスホールを参照。
- ギャップ
クリアランスを参照。
英語表記 :Gap
- キャパシタ
プリント配線板に実装される部品の一種で、静電荷を溜めたり放出したりする受動素子。
◆もっとくわしく◆ コンデンサと同義であり同じ意味で利用されることも多いが、一部では電気二重層という物理現象を利用することで蓄電量が著しく高められたコンデンサ(ウルトラキャパシタ/スーパーキャパシタ)のことを指し、従来のコンデンサとは区別されることも多い。実際に部品を指すときはどの部品をさしているか定義を明確にする必要がある。因みに、英語ではキャパシタという表現が一般的である。
英語表記 :Capacitor
- キャパシタンス
コンデンサの静電容量のこと。
◆もっとくわしく◆ 単位はF(ファラッド)。コンデンサ内に蓄えられた電荷量を表す。
英語表記 :Capacitance
- キャタライジング
無電解銅めっきをプリント基板に施す工程で、パラジウムなどの触媒を付与する処理のこと。
英語表記 :Catalyzing
- キャリア
電流が流れるときに、電荷を運ぶ役割をするもの。
◆もっとくわしく◆ 自由電子や正孔を合わせてキャリアと呼ぶ。半導体の場合、なんらかのエネルギーを加えることでキャリアが発生し、キャリアが発生することで電流が流れることになる。
- 吸水性ローラー
プリント基板の洗浄後の乾燥段階で利用する水を吸収するローラー。
◆もっとくわしく◆ 通常、プリント基板の洗浄はウォーターマークが残らないように不純物のない純水を使うが、微妙な不純物が入った場合に備えてエアナイフ等と並んでよく利用される。ローラー跡が残ることがあるので注意が必要。吸水ローラーは連続して利用していると飽和状態になり、水分を十分に含むことが出来なくなることがある。こういった状態になると、その後の熱化処理において、基板が酸化するなどの不良となる恐れがあるため飽和状態とならないようにチェックする必要がある。工場の稼働率や時間たりの利用頻度が上がると、従来問題がなかった基準でも飽和状態となるおそれがあることから、製造状況を鑑みたうえで最適な製造基準となるようコントロールすることが求められる。吸水ローラーに利用される材料としては、ポリウレタンとPVAスポンジが多くを占める。どちらも体積の80%程度の水分を吸湿し、吸水性に優れるが、PVAスポンジは乾燥すると硬度が増して吸湿能力が落ちるため注意が必要である。
英語表記 :Water-absorbent roller
- 吸発熱曲線
熱量の状況を分析するグラフのこと。
英語表記 :Endothermic and exothermic curve
- 強電流
主に熱や光などのエネルギーに変換することを目的とした電流のこと。
◆もっとくわしく◆ 強電流を流すための基板を強電基板ということがある。対義語は弱電流である。強電流弱と電流とを明確に定義する基準はないが、感電しないものであれば弱電流。
英語表記 :Strong current
- 鏡面板
多層板の積層工程で、完成した内層を外層の銅箔とプリプレグを使って接着するときに、銅箔側に接するステンレス製の板の事。
◆もっとくわしく◆ 銅箔をきれいに張るために表面はきれいなものを使う必要がある。
- 許容差
電子部品の公差のこと。
◆もっとくわしく◆ 特に抵抗やコンデンサについては、公差と言わないで許容量ということが多い。
- 許容電流
パターン断面に流すことができる電流の最大値のこと。
◆もっとくわしく◆ 一般的に気中一条、気温〇℃の条件下で定義し、係数ははあるがの直径の二乗にほぼ比例する。短時間数秒であれば、2倍程度の電流を通しても問題は出ないこともあるが、時間がたつと、発熱して基材を焦がすしたり、ひどい場合は、パターンが溶けて断裂するケースもあり、特に大電流基板では慎重に検討するべき項目である。許容電流は、規定以上の温度にならないために設定しするものであるため、温度に弱い被覆をしている電線、あるいは、温度拡散性の悪い被覆電線では、許容電流は、低くなる。ちなみに、0.6mmφのスルーホールに流せる電流は、1A程度であり、100Aの大電流を流す基板が存在するとすると、スルーホールが100個必要なことになってしまい、これは、現実的ではない。大電流を流す場合、片面の配線で層間に大電流が流れないように設計する方が合理的である。先の例で言うと、表裏同じパターンで設計すれば、パターン厚は、500μmで済むため、作るのがかなり簡単になります。また、片面で1mmのパターンを作る場合、エッチングをりようするとサイドエッチング等の問題も発生するため、あらかじめ銅板をルーター加工で削り出して大まかなパターンを形成し、それを基材と積層する方法もある。
- キリ穴
ノンスルーホールを参照。
英語表記 :Non through hole
- 希硫酸
薄めた硫酸液のことで、パターン面の還元に利用される。
◆もっとくわしく◆ プリント基板の銅表面の酸化は不良の大きな要素の一つであるが、銅は空気中では容易に酸化が進んでしまう。そこで、希硫酸につけこむ手法があり、こうすることで一度酸化した銅を還元することが可能になる。特にPTHから1次銅の間など、ソフトエッチングなどでも銅が失われると不良となる恐れがあるような場合に利用される。
- 近端クロストーク
ドライバ側から近くのレシーバー側に対してクロストークが発生すること。
◆もっとくわしく◆ 並行して逆向きに走る信号線間で発生することが多い。遠端クロストークとの違いは以下の図を参照の事。
- キンク
リード部品の端子部に曲げ加工を施し、プリント基板への固定を目的としている。
◆もっとくわしく◆ 固定される事ではんだ付けの時の部品浮き上がりが低減される。
英語表記 :Kink
- 金めっき
プリント配線板における金めっきとは、主に銅箔の上にめっきされた金のめっきを指す。
◆もっとくわしく◆ 金は接触抵抗が小さいので、防錆処理が必要なパターンやコネクタの端子などに利用される。金めっきをする際には下地金属としてニッケルを使用する。本来は、ニッケルを使わずに銅の上に直接金めっきをしたいがこの方法は現実的ではない。金めっきにも電解めっきと無電解めっきがありニッケルを使う理由はそれぞれ異なる。電解めっきなら理論上は可能だが、効果を出すには相当厚くする必要があり、その費用が掛かりすぎるためである。相当な厚みが必要となる要因は、金の他の金属を溶かし込む性格にある。銅に上に金めっきすると、上記の特性から経時変化、熱を加えるなどすると金に銅が溶け込んで銅が金表面に出てきてしまい、防錆処理等の目的である金めっきの効果が薄れてしまう。ニッケルは、このような銅を抑え込むため、バリヤメタルとしての機能を持っているために下地として使われる。一方、無電解めっきの場合、金はニッケルとの置換反応によりニッケルの表面に析出するため、無電解の場合は、下地のニッケルが必ず必要となる。無電解金めっきには、この置換金ともう一つ還元金とがある。置換金が一般的だが、厚く生成することは難しい。厚さとして0.1µmが限界に近いが、還元金は、より厚く生成でき、基板の場合0.3µm程度が一般的である。但し、作成時にphの管理が適切でなかったり、基板を長期放置するとニッケル部分が錆びてブラックパットと呼ばれる不良となる。そのため、表面処理は金めっきを行わず、はんだレベラーによる処理やフラックス処理を施すこともある。
英語表記 :Gold plated
- 銀めっき
銀を利用したプリント配線板の表面処理方法の一つ。
◆もっとくわしく◆ 銀自体が酸化することがあることからあまり使われない。